やまゆう

手のやまゆうのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
4.4
初めてロマンポルノとなるものを見に行ったので、ちょっと緊張してしまいました。

私の周りはおじさんたちが多くて、え、ちょっと気持ち悪いかもと思って始まったのですが、後ろの方には若い女性もいて。

周りにいたおじさんたちはどんな気持ちで見てたんだろうと考えてしまった。

本当にずっと何でだろうと思っていたことに
図星を突かれた気がした。
妹は父と上手くやれるのに、私にはできない。
話しかけても聞いてない様子だし、投げた質問が返ってこない。それでいて、たまたま2人になったりすると、仕事は?とか面白くないことしか話せないんだなって、何も期待しないと思って接してきた。家族のことは好きなのに、父単体だとなんか落ち着かない。

でも離れて暮らすようになったら、父が言ってたさりげない一言とかちょっと頭をよぎったりもしてきて。

未だにどう接していいか分からないし、2人で出かけるとかお酒を飲むとかなんかちょっと怖いんだけど、さわこをみて本当に少しずつ溝が埋められるのかも、お父さんだって本当はもっと素直になりたいのかもと思えた。
最後の名前を呼ぶシーンは、ほろっときてしまった。こうやって名前呼ばれたいんだなぁって、強がったり素直になれなかったりして気づけなかった自分の中にある欲を感じた。

男の人の手。手から始まるなぁって。
その手が自分の体に触れてほしいって思った瞬間から、自分の性の感情をくすぐられて、気持ちが高まって。
森くんが終わった後に、書いてたメモと短い詩がなんかちょっとダサくてすごく好きだった。

山崎ナオコーラさんの原作も読みたい。
なんだか心が爽やかで、帰りの車、何も音楽をかけないでただひたすらよかったなぁ、と。
じわじわした性描写も頭の中で繰り返されて。
そして、誰かとちゃんといい夜を迎えたいなって思った帰り道でした。
やまゆう

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