ろく

遠いところのろくのレビュー・感想・評価

遠いところ(2022年製作の映画)
4.2
とても良い映画でしたよ。よい映画。沖縄の(あるいは日本の)若年性プアの問題をしっかり切り取っていたと思います。多少ご都合主義はあるだろうけど、今の日本映画よりよっぽどビビッドな描写に驚かされます。

でもねえ、

この映画を見たのは小山のシネロブレでした。シネコン形式ではあるもののミニシアター系の作品を多く配信する。行って驚いたのはその寂れっぷりでした。7階にあるんだけど映画館以外何もない。もともと飲食店が入っていたんだろうけど潰れてしまい残骸だけが残る。

映画館もさびれており、販売所はもう雑然とした感じ。映画館のトイレは壊れてました。ポップコーンの機械なんかあるわけがなく、売っていたのはチップスターだけ。

そして上映が始まると客は僕を含めて4人。うっすら想定はしていたけどどう見ても赤字です。

そう、映画、特にミニシアターの館主さんはそれこそ使命感でやっているときが多いですよね。この映画をうちがやらなければ誰がやる。そして映画産業もそれに甘えているときもあって。大手シネコンさんは儲かる映画をこれでもかとやって儲からない映画はやらない(この映画もどこのシネコンでもやってないです)。

ミニシアターの善意に甘えているときがありますよね。監督も、大手のシネコンさんも、そして僕ら観客も。この映画はとてもいい映画です。だからこそ「多くの人に見てほしい」。そしてシネコンもそれを一緒になって盛り上げて欲しい。そう思うことがよくあります。いやまだMOVIX
はましかしらん。TOHO系列なんか何もしてないような気もするんですけど気のせい?いやぼくが知らないだけで大手さんも必死で盛り上げようとしているのかもしれない。でもこの映画はどこの大手でもやってないです。

文句が多くなりました。でもこんな映画がひっそりとやってひっそりと終わり誰にも知られず消えていくのは少しさびしいです。だからかこんな文章を書いてしまいました。そしてそんな映画を一生懸命応援するミニシアターを応援しています。「映画が好きだから」がそのまま搾取になりませんように。
ろく

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