Sasada

窓辺にてのSasadaのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.0
何かを通して何かを見ること。コップを通して窓辺の陽光がリングを作るように、予期せぬ出会いや組み合わせの美しさについての映画だと思った。

小説に何かを見つけたり、よその夫婦を通じて自らを省みたり、拾ってきた石や喫茶店で頼むパフェにその人らしさが宿ったり。その滑稽なくらいの相容れなさはまさにSFのようだし、それと付き合っていくのが私たちの生活だなと。

出てくるキャラクターがゆるりと繋がり相互に作用しつつ、鮮やかな「伏線回収」みたいなものに落ち着かないのがすごく良かった。わたし達が直面する出来事はそんなに整然と無駄の無いものじゃ無いわけで、「“ロンリ”な日々への反動」としてすごい好きだった。

浮気することも浮気されてショックを受けないことにも理解はできないけれど、それでも「信じることでしか人は繋がれない」から。
そうやってこれからも生きていこうねと、玉城ティナの声が聞こえる映画だった。
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