ちくわ

ビーストのちくわのネタバレレビュー・内容・結末

ビースト(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ライオンが出てくるモンスターパニック映画は初めて見たので、新鮮で面白かったし、コンパクトで見やすかった。ただ、そこまでライオンが怖く感じられなかったのが残念だった。

あのシチュエーションをもっとうまく生かしてくれるのを見たかった。せっかく無線があったのだから、電池があと少しで切れそうで、どのタイミングで使うのかとか、特定の場所まで行けたら電波が入って助けが呼べるとか、そういうドキドキを作ってくれたらもっと面白かった気がする。

それに、せっかくサバンナのど真ん中で車に閉じ込められて、人喰いライオンが外をうろついている状況なのに、絶望感がそこまで感じられなかった。ディープブルーのサメ的な知能を持ってて、もっと外をうろついてプレッシャーをかけて心理戦に持ち込まれるとかを期待してしまった。せっかくマーティンが「俺をおとりにするつもりだ」とか言ってたのに、それがあまり活きなかった気がする。。

ラストも、冒頭で出てきたライオンが協力?してくれる展開にも少しモヤモヤした。人間が、己の利益のためにいいようにしようとした野生動物に牙をむかれる話なのに、最後には野生動物を使って敵を倒してしまうのは、これまでの話が台無しなのでは。マーティンを助けるために動くならわかるけど、さっき会ったばかりの人間のために、というのも解せなかった。彼らの縄張りを危険に晒しそうな感じも特にしなかったし。ジュラシックパークのアレを意識したのかとも思ったけど、あれはただ餌として捕まえただけで、終始野生動物が人間の思い通りにならないのは一貫していたけど、この映画は違う気がした。

むしろ、あのライオンが怒るのも最もなので、もっとあのライオンについて掘り下げてほしかった。それをしないなら、人間をいたぶって殺すのが好きなサイコパスなライオンとかも面白そう。

でも、ライオンのCGが全然本物と見分けがつかないのが凄かったし、公開時から気になっていたのがやっと見れてよかった!
ちくわ

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