まっと

ザ・メニューのまっとのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

アニャテイラージョイにこういう役やらせたい投票してもらって一位取ったやつを撮りましたみたいなそんな印象を持った 私も見たいもん、たった一人異邦人で気風のいい台詞を言って最後はパーティードレスのままチーズバーガーを貪るようなアニャをさ……ていうかこれ奪う側だけどトニー・スタークならもっと早くにチーズバーガーという解を見つけて生き残れた説ない? ないか 上陸した途端に機嫌損ねて沈められてそう

奪う者与える者搾取する側される側持てる者持たざる者富める者貧する者 分断をひたすら突飛に悪趣味に描いて、「世にも奇妙な物語の一遍を一本の映画にしたやつ」のタイプの映画でした ただその分断を露悪的にそれこそコース料理のようにぽんぽこ出す!て感じで、最終的にミッドサマー的な「結果シェフの頭がおかしいだけ」だったのは救いなようなずるいような

シェフ自身すら男女の搾取をやらかしていて、ピュアな復讐者ではないのだ でもピュアな復讐だったら良いとか、それもずいぶん上から目線な話ですよね 私はフィクションの中でなら、虐げられた個人がいるなら個人の恨みつらみで世界を巻き込んでいいと思ってしまう派です でも多分今回ただただシェフにそこまで思い入れがなかったので「は〜手が込んでるわ」しか思えなかったとこはある

最期の瞬間に至るまで客たちが微妙に諦めを見せていたのが印象的 途中でシェフに言い寄られた人を懐柔しようとして秒で無理だと知って「ワイン飲む??」て雰囲気になる女たちすごく良かった
あの大人しいスモアたちが本当に「現実を正しく認識してないお間抜け」故なのか、「罪の自覚」によるものなのか、無駄に上品であるがゆえの「死に際も四の五の言わない理性」の現れなのか、どっちにしろあの場に飲まれてあそこでスモアになることに抗えなかったこと、怖いよなあ 何となくこのマインドコントロール術でスタッフたちも飲まれたんだろうなあと思った

マジで申し訳ないんですけど時間が夕飯時だったので最後の方で一回お腹鳴ってしまって……隣の人がうるさく感じてなかったらいいんですけど……そしてこれ観ながら腹減るヤベー客おったと思われてなかったらいいんですけど……

(追記)
マーゴが放り出されたことで、ちゃっかりマーゴがどれだけマーゴとしてこの場に存在しても本当には罪ある「富める者」にはなれないんだ……と思って いやそんなもんになるより生きてチーズバーガー食う方が得よって思ったけど、でもやっぱり富める者、上の者とはもう生き物として違うと言われるの、悔しい……と 思った
まっと

まっと