まっと

スペンサー ダイアナの決意のまっとのレビュー・感想・評価

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ダイアナ妃と一緒にするのはマジのマジにおこがましいけど、
例えば小学生の頃ガチャポンコーナーで友達と大はしゃぎした日、
例えば中学生の頃友達と夜中にこっそり外出したのに家に戻るときにがっつりとドアベルを鳴らしてしまった日、
例えば高校生の頃節分だ〜!つって教室内を落花生まみれにした日、
をふと思い出して、もうそんなことはできないことに思い至って恐ろしくなる

いや別にできないってことはないんだろうけど、今はもう大人の節度とか人目とか責任を考えたうえでのはしゃぎになる
もうあの鮮烈な心の踊り方は無いかもしれないし、もうその鮮烈さも上手く思い出せていないのかも すごく美化しているのかも
でも多分あのとき何よりも自由だった
自由にさせてくれる大人が社会を作っているから自由だったと気付いてしまったよな


人の身の幸せを求めるだけで生きていけない人たちがいて、でもその人たちは多くの人の身の幸せを保つために人の上に立っていて、
人じゃないことを求められるけど人のために存在するには人の身の幸せを理解してなきゃいけなくて
人って何だ 衣食住が保証されて絶対に食いっぱぐれることがない幸せ 心が自由である幸せ 人は己の幸福のために生きるのか、社会を構成して回すために生きるのか、種を保存するために生きるのか
種を保つためにこの社会をうまく回すのが必要なら社会に属するのも間接的な種の保存への参加のような気もするけどじゃあ心を知った私達がただ衣食住があり種の連続だけを目的として生きられるか 心の何処かにあの日踊った思い出が無いと生きていけなくはないか 自由じゃないと生きていけない

社会から外れて自由になりたいもう一回 一日でいいから 江國香織にそんな感じのお父さんお母さんたちが子供返りする短編あったよな〜と今になって何であの話が妙に怖く思えたのか分かった気がする
まっと

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