にく

ザ・メニューのにくのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
4.0
M・マイロッド『ザ・メニュー』(22)。F・ワイズマンの新作予告を見て思い出した。M・トロワグロの「トロワグロ」やらF・アドリアの今は亡き「エル・ブリ」やら、「白人シェフ」が強権を振るう金持ち客専用の(私たち一般人は死んでも食べられない)ヌーベル・キュイジーヌを本作は徹底的に皮肉っている。
 つまり、G・ヴェツェル『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』(11)やワイズマンの『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』(24)(最低の邦題だ)といったレストラン・ドキュメンタリーにおける料理を「美しく」撮る手付きを、本作は相対化できていると思う(ワイズマンまだ見てないけど)。
 「ウィ・シェフ!」とか日本人なのに従業員に無理矢理言わせて、「グラン・メゾン」とかいう間違ったフランス語のレストランをパリで開く恥晒し、木村拓哉には、三つ星を目指す前に本作をぜひ見てほしい。鈴木京香を「おばさん」呼ばわりして許されると思うなよ。マチズモだけ真似してどうするんだよ。
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