はた

カラオケ行こ!のはたのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.5
すごい!これは本当にすごい映画!
この映画は和山やまの同名コミックを原作に、原作の魅力はそのまま、原作ファンならさらに楽しめる作りになっている!

シンプルなBGMに、抑えた演出、ヤクザたちの絶"妙"な歌唱力、なによりも聡実と狂児の間の空気感がみごとに表現されている。この、ゆるさとメリハリの良さが共存しているリズムは明らかに和山やまの世界観!映画オリジナルの場面すら和山やまのあの端正な画力で頭の中に再現できるレベル。凄すぎる!

キャスト陣の演技はみんなレベルが高かったが、綾野剛と齋藤潤の憑依っぷりは凄まじい。綾野剛はセリフの言い方や所作に原作の人たらしっぷりが見事に出ていて、齋藤潤は、真顔に微妙に不機嫌なニュアンスを入れることで、聡実を見事に実写の世界に呼び起こしている。

正直和山やまが原作という時点で実写映画としては勝ったようなものだったが、まさか映画としてもここまで完成度の高いものになるとは。2023年に公開していたら間違いなく年間ベストに選んでいただろうってレベルの作り込みだし、今年の映画初めにぴったりの作品なので、ぜひぜひ見にいってほしい。本当に。
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