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イコライザー THE FINALのSPNminacoのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
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最終章はシチリアへ。無敵のマッコールさんでも今回は介護され杖に頼り、紅茶は老婆の飲むものだとあしらわれ、さすがに老いは隠せない…と思ったら、超人的回復力でやはり無敵。
「人にはいるべきところがある」ということで、マッコールさんも最後は神のもとへやって来たわけだ。いくら悪人とはいえ冷酷無惨に殺してきた罪を裁かれるために…って、アントワン・フークア監督はデンゼルさんで『ゴッドファーサーPartⅢ』をやりたいんだなーと思ったら(チラチラ映画オマージュを挟む程度で)そうじゃないのね。読み違えてたせいで拍子抜けしてしまった。
シチリアといえばカモッラというお決まりの構図はどうかと思うけど、暴力は更に陰惨さを増して、もうホラーだ。狭い路地や階段の高低差、石畳の光沢、滴る血の色、陰影深い撮影はリッチだが、殺しの時に聞こえるサイレン音(マッコールさん警報?)が怖すぎ。もちろん一番怖いのは、本を捨て神をも恐れぬマッコールさん。忍者亡霊から死神へ、悪人にとっては悪魔、善人にとっては守護天使に。久々の共演ダコタさんにとっては恩師に。
時間に厳しい点は今回もあんまり重要じゃなかった。まあ、カモッラはみんなでパスタ食べて寝てるうちにタイミング逃しちゃうんだが。そんなベタな部分とか、やっぱりアメリカ映画で外国を舞台にすると現地描写が雑になるのは気になる。カラビニエッレの娘ちゃん、あんな酷い目に遭ったらトラウマでしょうに…あそこではマッコールさんもある意味カモッラと同じように必要悪として受け入れられちゃうんだと思うと、それも他人事だなあと。マッコールさんも懺悔していいと思うよ…。
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