あまのうずめ

夜、鳥たちが啼くのあまのうずめのレビュー・感想・評価

夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)
3.3
慎一の借家に裕子とアキラ親子が引っ越して来る。慎一は元々離れのプレハブ小屋で小説を書きながら生活しているので問題無いと話す。裕子は正式な離婚には至っておらずアキラに転校させたく無いとのことで慎一のとこに来ていた。慎一は10代で賞を受賞していたが2作目以降は鳴かず飛ばすで、今はOA機器の整備の仕事もしている。


▶︎城定秀夫監督は脚本家によって出すカラーが変わる余りいないタイプの監督だと思う。原作は佐藤泰志の短編小説。自分が主人公の小説を書く慎一はデビュー以来売れていない。その鬱屈さを狂気にも似た行動で晴らし刹那に生きる慎一を山田裕貴がとても上手に演じていて、その成長ぶりに眼を見張った。

二人のラブシーンの撮影は流石ピンク映画出身の監督だなぁと思ったのと、夜のシーンのブルーががった色味の出し方、暗闇の中の灯りの撮影がいい味を出していたのが印象的だった。

数ある佐藤泰志原作の映画の中で珍しく希望のある終わり方だった後味も良い。

WOWOWの『城定秀夫監督特集』にて