広島カップ

野いちごの広島カップのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
2.8
名誉博士号を授与されるほどのインテリで、かつお金持ちの老人の夢と回想と現実を描く。

彼の現実の生活には心配事や悲しいことが絶えないし、夢の部分には彼の経験してきた過去が心の中のイメージとして投影され、回想の部分には過去に彼が経験したであろう事実が映される。

老人にとって大切なものは一体どれなのだろうか?と思う。
私のような現役労働者世代にはもちろん未来を見据えた今の現実の生活が一番大切なのだが、主人公の老人にとってはそうではないような気がする。
では夢なのだろうか?回想(過去)なのだろうか?私の80台半ばの母は日頃昔話ばかりしていますが...
白黒で叙情的な画面は私にそんな事を考えさせて来ましたが、あまりピンと来ませんでした。老境に入らないと解らないことはあると思います。

ベルイマン監督は製作当時39歳。
老人についての事、老いということが若くして早くも解っていたのでしょうか?なんとなく解っているかのようなメガフォンです。
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