さるやん

空気殺人~TOXIC~のさるやんのネタバレレビュー・内容・結末

空気殺人~TOXIC~(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

まずはshomaくんのレビューに感謝
https://filmarks.com/movies/104000/reviews/141493989
これを読まなければ決して見に行くことはなかったと思いますよ。
今年暫定同率2位の面白さ。
残念ながらシネマート新宿での公開は本日10/06で終わってしまうとのこと。
ただし、神奈川のジャック&ベティなのどは後日の公開なので行ける機会がある方は是非とも足を延ばしてほしいと思い他のレビューを押しのけて先に書かせてもらいました。
簡単なあらすじとしては2011年に起こった、空気清浄加湿器の消毒液をめぐる裁判の行方であります。
複雑なのはこの製剤が国の認可を受けていたこと、販売メーカーがイギリスに本部があり、政治家にコネを多数もつ大企業だったことにより事件は様々な展開を見せてすすんでいく。
法曹界に力をもつ人物を多額の報酬でやとったり、内部情報を手に入れたり、被害者家族がお金に困っているところを借金の肩代わりをするかわりに寝返れと揺さぶりをかけたりと、原告団に絶望的な状況に追い込んでいくさまがスザまじい。
欲望に固執した人間のあさましさを浮き彫りにしています。

もちろん映画なので善悪の区別が付きやすいようにキャラを際立たせてはいますが、票ほしさにカルトに手を貸しなおかつ日本を滅亡に追い込もうとするようことばかりをする政府与党をみているのであながち他国のこととはおもえませんでした。

近年の韓国映画の素晴らしいところは自国の闇にちゃんと向き合っているところですね。なおかつ、それをエンタメとして成立させていることが見事だとおもいます。

そして、終盤に待ち受けるカタルシスに多くの方が涙するに違いありません。
ロードショーは終わりを迎えましたが名画座などで、かかる機会もあると思いますので是非とも機会があればご覧ください。おすすめします。
さるやん

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