まーしー

ブロンドのまーしーのレビュー・感想・評価

ブロンド(2022年製作の映画)
3.0
マリリン・モンローの波乱万丈の半生を描いた本作。
しかし、本作で描かれている内容の多くはフィクションとのこと。そのため、賛否が分かれる作品となっている。

マリリン・モンローに馴染みがない私には、作品への拒絶感が特になかった。
むしろ、華やかな表舞台の裏で苦しむ女性の姿に胸が痛んだ。
児童虐待やDV、セクハラ、離婚、中絶など、壮絶な経験とその辛さは筆舌に尽くしがたい。
一人で何人分もの人生を経験したかのような、山あり谷ありの半生。
そして、世間が作り上げた「マリリン・モンロー」という虚像を演じ続けることの苦悩も、一般人の私には想像がつかない。
そのような彼女の陰の部分にスポットを当てているため、本作は全体的に暗い雰囲気が漂う。

残念だったのは、ケネディ大統領との関係の描写。
噂程度のこのエピソードを描く必要があったかどうか。しかも、その描写がかなり生々しい。
マリリン・モンローの苦悩を中心に描いてきただけに、この場面は話の腰を折った感が否めない。

カラーとモノクロを交互に取り入れた映像は新鮮。
また、セックスシンボルを体現すべく、脱ぎに脱いだアナ・デ・アルマスの演技には女優魂を感じる。
3時間近くの長尺だが、彼女の演技を目的に鑑賞する価値はあると思う。

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今年最後のレビューです。
皆さま、1年間、大変お世話になりました。皆さまのおかげで楽しい映画ライフを過ごす事ができました。
引き続き来年もよろしくお願いします。