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灼熱の魂 デジタル・リマスター版のryoのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

登場人物の誰にも感情移入させないような作りな気がする。
その分、俯瞰した状態で社会的な構造を捉えることができるように作られているのかなと。

憎しみと愛は表裏一体であり、
悲惨な争いを生む対立関係も実態としてそこにあるのはただの構造でしかなく、明確な区切りは存在せずどちら側になる可能性もあるのだと感じた。

1つの要素と別の1つの要素が、
AとBの2つの存在に区別できる訳ではなく、どちらも共存している両義性。
1+1=1。
母の手紙曰く、共にいることが大事なのだなと。

程度の差こそあれ世界には対立や分断が溢れているのだと思う。ただ二項対立的な関係が存在しても、それは絶対的なものとして相容れないものではなく、どちらかがどちらかに変化することもあり得るのだとも思う。そして、それは所謂生きるということなのだろうなと。

この後、残された三人もそうやって生きていくのだと思う。そうやって生きていくことは決して悲観的なことではないのだとも感じた。
対立構造が明確に存在しているという思い込みを俯瞰して疑う姿勢を多くの人が持つことができれば、、
そしてお互いに今は違うけど、どちらもどちらかの立場になる可能性があるのだから、ただただ共にいるべきだと思えれば、悲惨な戦争や争いも減らないかなと思わせられた。
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