エゴイストのblueのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイストとは…？
始めの方は確かに浩輔の行動は優しすぎる…というか少し狂気じみた愛情のようなものも感じたが、まぁ恋人にはこれぐらいしてしまうものだろう、と思っていたが後半になればなるほど「援助している」「援助されている」関係が事実と逆になっていき、このタイトルなのかと納得した。

私も基本は「与えたい側」であり、「与えられる側」になると気まずくなる。ただ逆に考えると相手もまた「与えられること」を窮屈だと思っているかもしれない。だから「与えたい欲」をなるべく抑えなければと思うが、浩輔は言ってしまえばその辺りは欲に忠実で身勝手である(広告にもあるように)。でもあの境遇の龍太に与えられずにいられないというその気持ちも共感できるものである。

龍太は浩輔と出会い与えられて良かったのか、やはり別れて与えられないければ良かったのか、どちらも正解かもしれないし不正解かもしれない。起こったことは変えられないのだから、たらればを考えずに前に進まなければならないが、ふと自分の身勝手故なのかと思うと後悔せずにはいられないと思う。

途中まで龍太が浩輔を金銭目的で騙していると思って観ていたので(夜の仕事も母親のことも嘘…みたいな)、実際の龍太のギリギリで追い詰められている境遇にやるせなさを感じ、最後は救われたんだと思ったら涙が止まらなかった…！
他にも何回か泣く場面があり心が揺れる良い映画でした。