面白いな〜。「面白い」というのは、いわゆる「うわ〜、この映画おもしろ〜い✨」の方じゃなくて、"有名キャストでここまで同性愛者の性をあからさまに描く"とか、"ちゃんとインティマシーコーディネーターをつけた"とかいうところはすごく先進的なのに、描いてる内容は時代劇かっていうくらい浪花節だったってところ。そのギャップとカメラワークで脳がクラクラする。
話だけで言えば自分はそこまで好きではない。駄作という意味ではなく、単に個人的に「最近の邦画の（人が死んで悲しいとか、誰もが抱えてる痛みとか、そういう淡〜い是枝作品や西川作品的な）世界観にそんなにグッと来ない」というだけである。
龍太の母の存在は龍太の嘘だと思っていたし、エゴイストというからどんだけ酷い別れ方をするのかと思ったら、何さ純愛じゃないのさアンタ、と。これも作品のせいではなく、自分が映画というものに刺激や技巧感のようなものを求めすぎているのであろう。
いや、でも鈴木亮平と宮沢氷魚は熱演ですよ。素晴らしい。各賞総ナメにしていただきたいです。それで段々邦画がいい方に変わってくれればという、そういう面でエポックメイキングな作品でした。
