過度な期待をしてしまっていた。
「日本のクィア映画の歴史を塗り替えてくれるかも」とか。
でもこの考え方自体が間違っていたのだなと、作品を観て気づいた。
自分は初めてフラットな気持ちでクィア作品を観れた。それに気づいて、今までクィア作品を特別視していたのだと気付いた。
それだけこの作品は、誠実な作り方をしていてくれたのではないのかと思う。
この作品はラブロマンス映画というよりもヒューマンドラマ映画で、前半と後半ではガラリと中身が変わる。
後半部分は『エゴイスト』というタイトルの意味を前半部分よりも深く考える内容になっていた。
自分としては登場人物のアップが多いこと、カメラの動きが多いこともあって、撮り方が好みではなかった。ただおそらくそれも演出で「映し出されるものが全てではない」と思わされる箇所がいくつかあった。
これまで観た日本のクィア映画とは自分の中で一線を画す良作でした。
