ゴン吉

エゴイストのゴン吉のレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.0
同性愛をはじめとする様々な愛を描いたヒューマンドラマ。 

原作はエッセイストの高山真の自伝的小説「エゴイスト」。
鈴木亮平が主演、宮沢氷魚、阿川佐和子らが共演。 

千葉の房総の田舎町で育った浩輔(鈴木亮平)は、14歳の時に母を亡くし、さらにゲイのため辛い思春期を過ごし、その後、18歳の時に上京して現在は東京でファッション誌の編集者として活躍していた。ある日、浩輔はゲイ仲間の勧めで体を鍛えるためにパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)の指導を受けることにする。龍太は母子家庭で育ち高校を中退して、現在はゲイとして体を売りながら母(阿川佐和子)を養っていた。やがて浩輔と龍太は愛し会うようになり、浩輔は龍太のために車を購入することを決め、納車日に2人でドライブする約束をするが、龍太は約束の時間を過ぎても現れなかった.... 

爽やかなイメージの鈴木亮平が、”孤狼の血 LEVEL2”(2021年)ではやくざを演じ、本作では同性愛者を体当たりで演じており、芸の幅がますます広くなったと感じさせる。
作品前半は浩輔と龍太の同性愛が描かれているが、後半はそれを超えた人としての愛が描かれている。
人を気遣う優しい作品で、とにかく相手を支えたいという身勝手なエゴを描いている。
他人からの過剰な善意は、人によっては重荷に感じたり煩わしく思うかもしれないが、本当の優しさは相手に伝わる。
人を好きになり愛することには性別は関係なく、愛することの素晴らしさを描いた作品です。
「まだ 帰らないで」   

第16回アジア・フィルム・アワードで最優秀助演男優賞(2022年)
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