しょうた

カムイのうたのしょうたのレビュー・感想・評価

カムイのうた(2023年製作の映画)
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冒頭の美しい大自然の映像から圧倒される。語りがかぶり、文明が持ち込まれる以前の悠久の時を生きてきたアイヌの人々の「幸せ」を想像させられる。
これでもかという過酷な差別。朝ドラ「虎に翼」は昭和初期の女性差別(今につながる)を描くが、アイヌ差別は更に深刻である。
かなり前に知里幸恵の評伝は読んだことがあり、映画は虚実を交えながら幸恵(テル)やアイヌの人々の純粋な思いに焦点を当てている。
アイヌ民族であることを何を恥じることもない、アイヌであることを誇りに思うというテルのセリフには、聞いていて込み上げるものがあった。それを励ました兼田教授(実際は金田一京助)の存在。学問の持つ意味や力を改めて思う。その学問が両刃の剣で、ただの研究対象となった時の恐さも描かれる。

コスチュームプレイがお金を掛けて丹念に描かれていると思ったら、名だたる企業がスポンサーに名を連ねていて驚く。「福田村事件」とはそこが違う。どういう背景があるのか知りたい。
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