タカナリ

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のタカナリのレビュー・感想・評価

3.8
出木杉から“理想郷〈ユートピア〉”の伝説を教えてもらったのび太。空を見上げながら、のび太はユートピアの存在を願っていた。そんな時、空に浮かぶ不思議な三日月を目撃。のび太はそれがユートピアだと信じ、ドラえもん達と共にその三日月を探しにあらゆる時代へ飛んだ。

「映画 ドラえもん」シリーズ第42弾。
脚本は、「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」「探偵はBARにいる」などの脚本を担当した古沢良太。
今回のキーパーソンであるネコ型ロボット・ソーニャを、“King&Prince”の永瀬廉が担当しています。

面白かったのが、ユートピアである“パラダピア”。
そこに住むだけで、怒りっぽい人間も、意地悪な人間も、強情な人間も、そのマイナスな性格が改善され、誰にでも優しく、思いやりのある人間に変貌します。あのジャイアンでさえ、のび太に対して優しく接するようになりました。暴力なんて振るいません。この変化は面白かったです。
そしてそれでも変化しないのび太のダメさ。これには驚きました。筋金入りです。
そのパラダピアですが、もちろんただのユートピアではありません。裏の顔もあり、そこがまた面白い。
とんでもなく闇が深かったです。

脚本が古沢良太というのもあり、終盤には怒涛の伏線回収があります。
最初から注意して見ていましたが、それでも驚きましたね。 
あの虫はただの虫じゃなかった。のび太よく見つけたな。
この虫にしても、戻るべくして戻ったんですね。 
そしてのび太の悪巧みは、絶対成就しない。

今回出てきた秘密道具の中では「インスタントひこうきセット」がかなり好き。
あれで自由に飛んだら気持ちいいだろうな。
タイムツェッペリンも見た目レトロで好き。