て

そばかすのてのネタバレレビュー・内容・結末

そばかす(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 他人に対する恋愛感情や性欲を抱かない人(アイセクシュアル)の生き様を描いたヒューマンドラマ。
 率直に言うと、大衆迎合が楽な生き方であると考える自身には共感性がなかったのか、個人的に面白い作品ではなかったが、普遍的に他人に理解されない人を応援するメッセージ性が入ったように見えるとても良い作品だと思えた。
 主人公の悪意なく他人を傷つけてしま裏面自分の望みが他人には最善でないと知る場面には胸が痛んだ。また、保育園の保護者参観という、主人公の恋愛属性を持たざる人の集まりの中で、自身の意見を主張し、どよめきを導く場面、それを謝罪する場面は強い主張を感じ、再考させられた。
 その他にも、膝を立てた3人が食卓を囲むシーンなどこの作品には埋め込まれたメッセージが解釈によって多様に存在している気がして、そういった部分は面白かったと思う。
 この作品の上映後に監督のトークショーが開催された。監督若!ってのが第一印象。自分は企画、脚本、監督の意味を聞いたことがある程度で知見はないが、監督が脚本を見て、解釈し、より良く作っている拘りを知ることができた。チェロの曲の選定、自作シンデレラの話の内容の改変、役者の配置の部分などは聞いていて面白かった。ただ、あくまで映画作品なのだから全ては映画に込められているべきで、邪道な楽しみだと個人的に思う部分もあった。
 最寄駅にありながら、アルテリオを使うのは初めてだった。スクリーンやスピーカーは映像館というに相応しい感じのちゃちめの見た目だったが、それも良い雰囲気に思える。今後も見たい作品があればたまに利用したい。
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