パラサイト 半地下の家族のてのネタバレレビュー・内容・結末

　詐欺一家を中心とする風刺映画。
　最初はただのコメディ映画として見ていたが、後半になるにつれて社会風刺をテーマにしていることが露わになり、とても好きな内容だった。
　作品中において一貫して地上世界と地下世界が分離されていて、地上世界が裕福で余裕のある人々の生活域、地下世界が貧しくゆとりのない人々の生活域として描かれていた。現在半地下住宅住まいのやや貧しい生活をしている家族がより良い生活を求めて卑しくも努力した結果、悲劇を孕んだ更なる苦境に追いやられるいうストーリーである。
　この家族のような前例として、老夫婦も自身で事業をおこして失敗し、生活がままならなくなり、地下部屋（極貧、裏世界）で過ごすことになっていた。同様にこの家族の父親もそこで過ごすことになる。時間軸は別であるが、これは貧困から抜け出すことの難しさを普遍的に表しているのだと考えた。韓国に限らず日本にも当てはまる社会情勢の風刺なのではないかと考えさせられた。
　社会風刺が適度に入った映画が好きなこと、自分が知り得ない世界を見せてくれたように思えたことから高評価にした。面白かった。