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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのkassyのレビュー・感想・評価

3.8
イベント割のムビチケを消化するために普段行かない映画館に平日夜に見に行ったら、客は私1人で貸切だった

しかしながらこの映画は知るべき作品だと思う。#MeToo運動の発端になったこのニューヨークタイムズの記事は素晴らしいジャーナリズムだと改めて感じる。
見ながら思い返していたのはこちらも素晴らしいジャーナリズムを描いた『スポットライト』
こちらは聖職者の性的虐待の実態のスクープであったが、構造はかなり似ていると感じた。

もはや聖職者のように黙殺させ暴力を振るう権力者。
被害者の女性は自分の生活が脅かされる事を恐れて、黙っているしかない。

しかし、記者は言う「過去は変えられないけど、あなたの行動によって誰かを守る事が出来る」

怖い思いをした女性が、自分の名前を出して権力者を訴える
この勇気を出すことにどれほど悩み耐え抜いて来たのか…

「She said YES!!」
このセリフのシーンは、熱い思いが込み上げた。

映画の演出としては非常に淡々としており事実をあまり脚色しないようにという配慮が透けて見えた。
記者2人の女性も悩みや恐怖と闘いながら、女性達の為にと東奔西走した事がわかった。
またそんな2人をニューヨークタイムズの上司達もサポートしている。

権力者を守るシステムから、守られないシステムへと自浄作用が働き始めているように感じるハリウッドであるが、今後も継続して行く事が大事である。

若く未来のある女性たちの未来が潰される事がなくなる事をただ祈るばかりである。

ハーヴェイ・ワインスタインのテープ音声はただ恐怖である。その映像は映されなくても、恐ろしさは伝えることができる。
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