鹿苑寺と慈照寺

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けの鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

4.0
ハリウッド映画界の重鎮ハーヴェイ・ワインスタインによる数10年に渡る性的暴行事件を調査する2人の記者の実話を元にした作品。

実話を元にした作品(主人公の名前、加害者と被害者の名前も実名で出ている)ということでワインスタインの逮捕とその後の没落、SNSでの拡散など物語の着地点がわかっているからこそ2人の記者による調査を淡々と描いていて逆に良かった。記者のジョディ・カンターとミーガン・トゥーイは子供を持つ母親ということでそれぞれの生活にもしっかりと焦点が当てられていて、仕事と生活を描く映画としても面白かった。特に2人の直属の上司の女性が「私が確認しておくから」と2人を帰すシーンはとても良かったし、もう1人の上司の黒人の頼れる感じもとても良かった。こういう上司の下で働きたいなあと感じた。当たり前だけれど、ワインスタインとは真逆。

肝心のワインスタインについて。とにかく最悪。示談で揉み消すだけでなく、口まで封じるやり口。

ワインスタインは本人の性的暴力性や性格など人間としてクソだったようだが、映画プロデューサーとしては有能だったようで「パルプ・フィクション」など数ある名作を手がけていたらしい。この手の告発映画が世に出るとその製作者の手がけた作品まで影響を及ぼすことが多々あるが、映画自体は最高だから。プロデューサーがクソなだけ。そのことは肝に銘じておいた方がいいと思う。


以下は個人的なメモ
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排泄物

歩きながらリンゴを食う。

ジョディー・カンター
ミーガン・トゥーイー

過去は変えられないけど、あなたの証言が誰かの救いになる。
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