Tラモーン

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのTラモーンのレビュー・感想・評価

4.0
前から観たかったやつU-NEXTに来てたのね!


広告代理店に勤める吉川(円井わん)は今抱えている案件を終えたら憧れの人がいる大手広告代理店へ転職するという野心に燃えていた。しかし次から次へと降ってくる仕事に忙殺され、プライベートもなく同じような日々を繰り返すばかり。そんなある月曜日、後輩2人が吉川に告げる。「ぼくたち同じ1週間を繰り返してます!」


低予算を逆手にとり、ミニマムなワンシチュエーションで日々仕事に追われる人たちへが共感できるコメディでありながら、そんな人たちへの賛歌ともとれる意外にも感動作品でした。

「タイムループしてるんです」なんていきなり言ったって信じてもらえる訳がないという点を上申制度という日本社会あるあるに落とし込みながら笑かしにくる前半。
話聞けよ吉川!と思いながら観てたのに、1人1人また1人とタイムリープを理解していく過程が面白くて引き込まれる。何回も繰り返してるから仕事の効率と正解度がバキバキに上がってくの笑える。
ピークは平(高野春樹)のプレゼン。パワポでこんな笑ったの初めてや。

永久部長(マキタスポーツ)のブレスレットが原因ではない!からのようやく事務員の聖子さん(島田桃依)が話に入ってくるあたりで雰囲気が変わりだす。誰にも信じてもらえずタイムループ70周は怖かったやろな…。

自分の将来のためにタイムループを抜け出したかった吉川と、意外にもみんなのことを考えてくれていた永久部長の対比が上手い。

"自分の夢って言える人になりたかったな。
でもひとりでできることなんてそんなにないんじゃないかな"

奇しくも、今まで見ようとしていなかった同僚たちの性格や内面ががタイムループを繰り返していく中でお互いにわかってきた。この仲間とならこのタイムループを抜け出せる。そんなチーム感が嬉しい。

ひたすらに上を見続けて、登り続けて成功したするだけが幸せじゃない。同じことの繰り返しのように見えても、平凡に見えても大切なものが見つかればそれは幸せな人生なんだと。
タイムループと、永久部長の人生と、彼の漫画がリンクしていくような展開は普通に感動してしまった。

不満を漏らして、自分のために他人を貶して蹴落として出世したいのか?今目の前にいる仲間のこともっとよく見てみようぜって言っているような素敵なメッセージ性を感じた。

舞台っぽくもあるんだけど、役者さんたちの演技よかったな。マキタスポーツが本当に良過ぎたわ。

80分台でこの満足度は凄いな。
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