Stella

Pearl パールのStellaのネタバレレビュー・内容・結末

Pearl パール(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

Xを観てからPearlを観た。

Xの中でハワードがマキシーンを見つめていた理由もわかったし、似たようなオーバーオールをマキシーンが着てるのも、ブロンドは嫌いというパールの言葉も色々繋がっていて、その繋がりを探すのが楽しい時間だった。セダはペットみたいなものだったんだね。だから、Xでマキシーンが湖で泳いでいる時、追いつけたのにわざと襲わなかった?それは深読みかな?


お母さんからの抑圧が酷かっただけが、彼女のあの思考を作ったとは思えなくて、元々、空想家で謎の自信があり、自分の欲しいものはどんな事をしても手に入れるというキャラクターの背景はそれだけでは無く、本人の元々の気質だとも思える。


自信家というのは、褒められて自己肯定感が上がらないと育たないので、ミッツィならまだしも、あれだけ自信喪失させられてきて、練習してもいないダンスを上手く踊れるとパールが臆面もなく言えるのはちょっと不思議。
それとも、否定されすぎて、空想家になっちゃったのかな?だとしたら、お母さんが彼女を閉じ込めていたのも彼女のそういった部分に気づいてたからとも言える…その部分はもしかしたら、母親自身やパールの父から受け継いだもの?


観ていて辛かったのは、彼女のどんな狂気の沙汰よりも、ミッツィママがくれた🐖ちゃんの行く末。訪れた誰もが、何これ?キモっっとなったアレ
アレを観て尚、危機感を感じず、家の中に入ろうと思えた2人は鈍感すぎるけど、ホラー映画には不可欠な存在(殺され役として)

見どころはミア・ゴスのサイコな長台詞。
お父さんを殺したのは反省してるけど、その他はそうでもない…というような。
それを静かに聞いているミッツィはどんな顔をしてるのか、カメラに一切、抜かれることはない。


脚本も手がけて、主演もしていた彼女、純朴な夢見るカントリー娘と狂気的な殺人鬼の二面性を持ち合わせた演技、めっちゃサイコー!かかしと踊ったと思ったら、私は人妻よ!って情緒不安定極まりない!

最後に、パールの全てを受け入れることが出来たハワードは、パールと長年添い遂げるんですね。愛を欲しがっていたパールは1人の人に愛されたのに満たされなかったの?

それでも歪んだ嫉妬で人を殺し続けたのか


最後の狂気的な笑顔からのエンドロール。静止画ではなくて、ずっとカメラが回ってて、黒い丸の中に消えていくレトロさ。
サイコー!
Stella

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