昨年、界隈?を賑わせた『X』の前日譚。
いやもうめちゃくちゃ良かった!
『X』で過去に類を見ない特異なキャラクター設定で我々に強烈な印象を残したパール。
(だって、「性欲で内面をひたひたに満たしたキラーばぁちゃん」よ。。)
このパールがなぜこうなってしまったのかを、ただの説明映画ではなくそれ自体をちゃんとエンタメしているホラー作品として仕上げたことに拍手。
田舎町で理想と現実の狭間にハマり込んでしまって身動きが取れなくなり、妄念が蓄積し暴走していくことって、これは極端な例ではあるけれど、現代社会にも面々と続くなかなかに普遍的な病理ではあるよな。
一方、作品としてはどうしても「ミアゴス力」に注目しちゃう。
上記の病理が徐々に発現していく様を、ものっすごい説得力で表現しているのよ。。
もはやホラーというかサイコスリラー(+ところどころ行き過ぎている結果、若干のコメディ・フレーバーすら漂う始末)っぽい作品だけど、テンポや演出がとても上手く行っている結果、上述のとおりとにかくエンタメ出来ている。観ていて楽しい。
そして物語の終着点のエンドクレジットよ・・・。何してくれてるのこれ。。
トラウマなるわこんなもん。
ただ、鑑賞後すぐは「わー面白かった!」って感じなんだけど、このエンドから『X』までの数十年、この夫婦がどんな関係性で生きて来たかを想像すると、若干胸を締め付けられるような感じもしてくるよな。つらぁ・・・、お察しします・・・的な。
ということで傑作!
次作『MaXXXine』が楽しみ過ぎる!