ミア・ゴスの怪演に圧倒された。20代前半の女性が陥りやすい思考や情緒が、狂おしく表現されていた。噂のラストシーンは特に凄くて、満面の笑みだけど目は笑ってなくて、涙が溢れてくる奇妙さにこちらも複雑な感情になった。
「人生という映画はワンテイクなんだから」
「思い通りにならないのが人生。それを覚えておけば幸せになれる」
相反するこの二つの台詞が今回特に記憶に残った。思い通りにならなくても、自分が選んだ道だからと思うのか、道を選ばせてすらもらえず思い通りにならないのとでは意味が全然違うなと思った。
若さ故に挑戦したい気持ちや、その気持ちを親に否定される気持ちは自分も体験したから、序盤こそパールに共感していたけど、後半はもうなんかなるべくして精神を病んだって感じだし、母がパールを農場から出そうとしなかった気持ちの方に共感していった。
パールの赤いドレスが異様に似合っていた。オーバーオール以外もまだまだ着たい年頃だもんね。って少女を見守る気持ちでいたら、既婚者設定でびっくらこいた。
割と終盤まで、まだパールに同情の余地あるなと思っていたけど、父や義理の姉妹を殺したあたりから、もうこいつは救いようがねーやと呆れてしまった。「自分が生きるだけでもつらいのに」とかお子に対して「家畜のように栄養を吸い尽くす」とか、確かにパールの言い分も一理あって、シリアルキラー作品ではあるけど、現代を生きずらいと感じている層には共感できる点もあるんじゃないかと思った。
なんやかんやでXも観たいと思います。