ダイゴロウ

美と殺戮のすべてのダイゴロウのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
3.6
映画館にて鑑賞。
ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞したドキュメンタリー映画。

写真家ナン・ゴールディンの半生と「オピオイド危機」を引き起こしたとされる製薬会社を営む大富豪サックラー家に対するデモ活動が描かれる。

まず、彼女のアーティストとしての写真作品が堪能できる点が一番良かったです。
(写真芸術って、絵画よりもハードルが高くて難しい印象がありますが、出てくる写真たちは素直に素敵だと思えました。)

肝心のドキュメンタリーの内容については、特に素晴らしいとも思えず、凡庸な内容に思いました。
正直内容が散らかっている印象で、彼女の半生とデモ活動の結び付きが大して強くなく、ドキュメンタリー作品として金獅子賞を受賞する程の質の作品には思えなかったのが正直なところでした。
(賞を受賞しているということは、素晴らしい作品なんでしょうが…。)

当時のアメリカの若者の生態であったり、エイズが落とした影のようなものを感じることが出来た点は良かったです。