ダイゴロウ

牛泥棒のダイゴロウのレビュー・感想・評価

牛泥棒(1943年製作の映画)
3.9
75分と短めながら満足感十分の良作西部劇。

この時代のアメリカ映画を観ると、村の中での私刑(リンチ)が良く出てくる…。
劇中で語られる理由として、法的な手段だと間違いが多いなんてことを言う台詞があるが、「疑わしきは罰せない」法的性格を盾に、直接的な報復を加えたい人間の残酷性が出ているのではないかと思う。(結局、法的手段が一番間違いが少ないものと信じたい。)

本作は西部劇でありながら、フロンティア精神であったりパイオニア精神を感じさせる壮大さとは無縁の作品で、どちらかと言うと『十二人の怒れる男』(期せずしてヘンリー・フォンダ主演で共通している)のような会話劇を主とした作品で、内容はなかなかにシリアス…。

最後の手紙にこの映画で伝えたいことが詰まっている。
しかし、凶器のくだりなどを見るに、彼等の処刑に何かしらの悪意が絡んでいるように思えてならない…。