Jun潤

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-のJun潤のレビュー・感想・評価

4.0
2023.04.22

待ってました!
個人的傑作で続編があってもなくても違和感が無い終わり方だった前作からの、今回原作のストックが十分にある状態で続編公開、しかも二部作。
原作も完結し、終わり方に賛否はあるみたいですが個人的には十分アリ、というか好き。
そもそも作品自体ガッツリヤンキーものでもガッツリSFでもないと思っていたので、ハイブリッド作品としてはこのぐらいでちょうどいいかと。
原作を全て映像化するのか、それとも役者の年齢的に今回でオリジナル展開を入れてスッと最終章に取り掛かるための足掛かりにするのか。
いずれにせよ続投の監督、脚本、俳優陣に加え追加&未解禁キャストと、期待しかありませんね。

フリーターの花垣武道はかつて、中学時代の恋人だった橘日向が東京卍會に殺された現代を変えるため、ヒナの弟・直人をトリガーとして10年前の高校時代にタイムリープした。
“リベンジ”を果たし、生きるヒナと共に過ごす現代を手に入れたかに見えたが、過去に武道がヒナを振ったという衝撃の事実の一端を知った直後、ヒナは再び東卍に脅された武道の親友・千堂敦の手にかかり目の前で死んでしまう。
ヒナが殺されない現代にたどり着くため、武道は東卍のトップに立つと誓う。
現代で死刑囚となっていた龍宮寺堅から、東卍と佐野万次郎が今のようになってしまった原因が稀咲鉄太にあることを聞き、再び10年前にタイムリープする武道。
しかし、タイムリープ直後の東卍の集会で、稀咲は参番隊の隊長に任命されてしまう。
衝動的に武道は稀咲を殴り、一触即発となるが、そこに壱番隊隊長の場地圭介が現れ、東卍脱退と、東卍との抗争が近付いていた芭流覇羅への入隊を宣言する。
集会後、武道はマイキーから場地が東卍創設メンバーの一人であることを聞き、場地を東卍に連れ戻すこと、その見返りとして稀咲を東卍から追い出すことを約束する。
次の日、不良事典の山岸から芭流覇羅No.3の羽宮一虎について聞いた武道は、そこへ現れた一虎に連れられ、芭流覇羅のアジトへ向かう。
そこでは踏み絵と称して場地が壱番隊副隊長の松野千冬をボコボコにしていた。
武道は場地から、一虎も東卍創設メンバーの一人であること、今回の抗争と関わりのある、一虎とマイキーの因縁について聞くことになる。

うひひひ、やっぱりいいですのう。
好きな原作、監督、脚本、俳優陣と、もう最初から最後まで、画面の端々まで見逃せない作品でした。
とはいえ今作の評価は後編次第かなというところではあるので、今回は前編に絞ってレビューです。

一作目が武道本人の人生についても一貫していたのに対し、今作は「血のハロウィン」序章ということもあり、不良同士の熱く不器用で歪な感情のぶつかり合いと、それらの決着を予見させるような物語でした。
原作勢なのでそれぞれのキャラの今後を知ってはいるものの、一作目からの今作にかけてだけでも、物語やキャラ自身、関係性について、青春時代にかける想いや時を経てからの後悔などがよく描かれていました。

前編だけだと特にマイキーと一虎、あとは現代のドラケンですかね。
マイキーについては、仲間を大切に想う気持ちを強さとして東卍のトップなりに表で出し、唯一の兄・真一郎を喪った深い悲しみは武道だけに弱さとして裏で出していて、その二面性が表れていました。
一虎に関しても、今作での行動はマイキーを大切に想う気持ちが歪んだ形で表れてしまったのだと思いますが、まぁそれに関しては原作のネタバレありきなので、今作だけだと拗らせヤンキーでしたね。
それも幼さの象徴としてまた良し。
現代のドラケンは、今作の中では一作目に出てこなかった現代の東卍幹部として、輝かしかったはずの東卍時代からは考えられないほどの後悔と怒りが、ドラケンの表情に出ていました。

キャストについては今作から加わった永山絢斗、村上虹郎、高杉真宙、そしてサプライズの高良健吾!
高杉&高良は、あるかもしれない今後の展開的に重要性高めなので、演技力や知名度、カリスマ性含め文句無しの仕上がりでした。
個人的には神木隆之介を予想していましたが、良い意味で裏切られましたね。
また、一作目では顔出し程度だった間宮祥太朗と清水尋也についても、今作で本格的に暴れ始めていて、現代にも繋がるヤバさと、今後武道の前に立ち塞がるであろう壁としてのデカさがよく表れていました。

さて、次は「血のハロウィン」編完結となる『ー決戦ー』ですね。
一虎の運命、場地の真意、マイキーやドラケンら東卍の行方、そして武道のリベンジは如何に!!
Jun潤

Jun潤