Shiojesus

ホワイト・ノイズのShiojesusのネタバレレビュー・内容・結末

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画とは私はこういう風に思いますよ、こういう考えですよ、ということへの表現方法の1つに過ぎないということを再確認。漫画ハイキュー‼︎の名台詞「強いって、自由だ。」の台詞よろしくパニック、ホラー、コメディと、一本の映画の中にもかかわらずどの方向に舵切っても観客を飽きさせない。

じゃあその「こういう考え」って何かっていうと、宗教かな。。。?って思って観賞後ノア・バームバックのWiki見て納得。
父親はユダヤ教で母親はプロテスタント。また両親も再婚同士で兄弟姉妹も連れ子がいたり。

なるほどこの映画は監督ノア・バームバックが「私は宗教ってこういうもんだと思います」ってことの表現だったのか。

ドン・チードルが銃渡すシーンなんか布教活動そのものだし、死を半ば覚悟した自分よりよっぽど(身体状態的に)深刻じゃない妻が薬に頼るのに驚くシーンも(なんらかの)教徒と無宗教の人との死に対する向き合い方の違いを表現したかったのかな、と。

表現の自由、という言葉の通り、結局あれなんだったん?とかあれってどういう意図?とか回収する必要性とかって実は全くなくって、だからそれを見た人がなんかよくわかんね、ってなるのも自由。

ただとにかくノア・バームバックとしてはおれ宗教ってこういう風に考えてるんだって表現の結果がこの映画で、それは冒頭ドン・チードルが映像表現ってこういうことやんね、って説明してることがそのままイコール映画ってただの表現なんだぜってことの宣誓になってると思いました。
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