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チャモリーゼのdm10foreverのレビュー・感想・評価

チャモリーゼ(2010年製作の映画)
3.0
【ケサランパサラン】

個人的に開催している「GYAO!さん、今までありがとう!勝手に大感謝祭」にて。

ところで。
みなさんは「ケサランパサラン」ってご存知ですか?
タンポポの綿毛にもちょっと似ているけど、それよりももっと大きくてもっとフワフワしていて、何処から来て何処に行くのかもまったくわからない、謎の物体。
僕も何度か見たことはあるけど、まるでこっちの意図を察したかのように「フワ~」っとどこかへ消えてしまう。
日本でも古くは江戸時代の記録から登場している、歴史ある「謎の生物(そもそも生物かどうかもわからんけどね)」。
でも、どことなく「意図」を持って浮遊しているように見えてくるんですよね。

ほんと、何処から来て、何処に向かうのか・・・・
風の吹くまま、気の赴くまま。

でも、そんな「ケサランパサラン」を見つけると、何故だかちょっぴり得した気になるのは僕だけだろうか?
幸せのお裾分けでもないけど、何となく優しい気持ちを運んできてくれるような気がする。

この作品はまさにそんなお話し。

一人ぼっちで遊んできる少年の元に、フワフワと現れるチャモリーゼ。
威嚇するでも飛びつくでもなく、ただ少年の心に触れる。

チャモリーゼとの交流で少しずつ心が満たされていく少年。
この辺はちょっとトトロちっくでもあるけど、この独特のタッチのお陰でいい意味での「二次元感」が保たれていて、それが何ともいえない不思議な感覚のままでいさせてくれる。

決して特筆するようなお話しでもないし、作画がずば抜けて上手いとかって言うわけでもない。
だから点数をつけようとすると、どうしてもこういう点数にはなってしまうんだけど、でも、なんか突き放せない「何か」がある作品なんですよね~ホント不思議。


なるほど。
「第22回東京学生映画祭/東京学生アニメフェス グランプリ受賞作品」ですか。
正直、最初は「これがグランプリなの?」って一瞬思いました。

でも・・・・なんだろうね、この不思議な余韻というか後味というか・・。

たった7分のお話なんですが、優しい気持ちはたくさん詰まっています。
この小学生でも描けそうな絵(「描ける」ではなく「描けそう」ってとこがポイントね)も、見続けているうちに段々ジワる。




う~~~ん。
不思議な作品だ。
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