詳しい感想はたぶん来週にでも書くと思うがもう公開終わっちゃいそうなので取り急ぎ点数だけでもってことで。映画に点数なんかつけるもんじゃないとはまぁ基本思ってますが、良い映画は多くの人に観てもらいたいし、点数が低いよりは高い方が観たくなるでしょ。極端に点数の低い映画はそれはそれで観たくなるものかもしれないが…とそんなことはどうでもいい!
ドラマティックなことは全然起こらないロードムービーといっても単にマダガスカルの僻地の日常が先進国暮らしの人には旅に見えるという風な映像日記のような映画だが、マダガスカルの人、自然風景、建物、風習、料理、音楽と、目に映るすべてが新鮮で楽しかった。知らないものを観る喜びはリュミエール兄弟の時代からの映画の本来的な魅力のひとつ、小賢しい演出やこねくり回した理屈なんかこの素朴な映像の前では随分と窮屈で貧しいものに思えてくる。なんだかバブル期の日本でよく作られたヒッピー崩れのアフリカ憧憬もののようでもあるが、まぁでも日本を含めて21世紀に入ってからの先進国は自国の問題で手一杯でアフリカの存在やその魅力を忘れすぎだと最近よく思ったりするので、こういう映画があるってのは良いことなんじゃないでしょうか。