スターリンに見せる（それがロシア流とのこと）ため、ヒトラーの死体を運んでいくソ連兵たちというアイデアで膨らませたエンタメ戦争もの。
モスクワに向けてポーランドを移動している。野営中は土の中に埋めて、出発するときにまた棺を掘り起こすのは、いつ全滅してもいいようにしているからで、「ハリーの災難」オマージュとかそういうんじゃない。事実、SS、ポーランド国内軍、ヴェアウルフとみっつの組織から彼らソ連軍と、総統の遺体が狙われているのだった。
ポーランド国内軍はのちに呪われた兵士と呼ばれることなるひとたちで基本は反共でソ連兵が大嫌い。「地獄の中の戦場 （2017年）」に詳しい。
ヴェアウルフはWikipedia「ヴェアヴォルフ」で出てる。ざっくり、連合国に対するナチスドイツのレジスタンス運動のことで、戦後は「地下に潜ったナチ党員たち」という認識でも間違ってないみたい。ただし、「国民突撃隊」「アドルフ・ヒトラー義勇軍」とは別もの。ヴェアウルフについての映画は数少なく、視聴難易度の高い「ヨーロッパ（1992年）」くらいなんじゃないかな？
強い老女にやり込められるネオナチのくだりがいいね！ 絶滅収容所にいたひとのいれずみをしており、「192388」から、ミュンヘン一揆と88（ハイルヒトラー）を一瞬で読み解く主人公。
というように、ググる勢大満足の背景で補強したエンタメ展開は最高ですね。
ナイフで刺されるとか、何発か当たったくらいじゃ死なない今風のアクションシーンもたっぷりやってくれる。
ラストは殺したってことかな？ 物語におけるレイシストはかなりの大罪なので、そう読み解くのが妥当かな。あらすじで確認したかったのに、そのあらすじがみつかない。この映画ネットに全然データないんだけどどういうことなんだろうね。
面白かった！
