暮色涼風

リーサル・ウェポンの暮色涼風のネタバレレビュー・内容・結末

リーサル・ウェポン(1987年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

'80〜'90年代アメリカの、派手なドンパチもののアクション映画が量産されはびこっていた中、同系統の映画ではあるものの決して中身は薄っぺらくなく、緻密に練って描かれているシナリオだった。

メル・ギブソンの気狂い刑事っぷりは最高に魅力的なキャラクターで、どんな行動をとるのかが楽しみで引き込まれた。

結果、主人公は「殺しをしない」ように変化することはなかったが、確実に主人公の考えは変化して、「自分を殺さない」ように変わった。
この、法も秩序もない果たし合いのラストは、賛否両論あるだろうけど、これがリーサル・ウェポンらしい選択だったのだろう。
相棒も「運転させない」から「運転させる」に変化を遂げるなど、細部のやり取りの中で、不信から信頼に変わっていく様を見せている。

でも、序盤の車の中でダニー・グローヴァーに言わせる、「俺は50の誕生日で、妻もいて、子どももいるのに、こんなのと組まされるなんて」というような境遇の説明は、十分それまでの映像で描けているのだから、台詞で語らせない方が良かった。
暮色涼風

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