暮色涼風

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してるの暮色涼風のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

大人や周囲に勝手に期待され、勝手に見捨てられた子どもたち。選ばれなかった者たち。
"子どもプロイラー"はあくまで虚構だけど、現実にも、何かに失敗したり思うようにいかなかったり、学校や社会に適合できず引きこもったり、疎外感や劣等感を覚えたりして、無気力になって「何者にもなれない」でいる者は沢山いるだろう。
自ら生存戦略をできない者には、手遅れになる前に救いの手が必要だと思った。


規則性のある背景やモブや、明るい空気か
ら重い空気への振り幅など、シャフト作品っぽさもあり、ラストは『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を彷彿とさせる演出で、幾原邦彦監督は特に、新房昭之監督や庵野秀明監督と、"相互に"影響し合っているように感じた。


前半と後半、4時間半を通して一気に観ると、テレビ版よりも腑に落ちた。
テーマが脱線してると思うようなシークエンスもあったし、冠葉と真砂子が実の双子とバラしてからのハードボイルドな口笛の音楽のクサイ演出のくだりなども蛇足だなと思ったけど、最後にはちゃんとカタルシスを感じたから傑作。
暮色涼風

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