アニマル泉

肉体のアニマル泉のレビュー・感想・評価

肉体(1932年製作の映画)
4.2
フォードの異色のプロレス物でレスラー・ポラカイ(ウォーレス・ビアリー)と悪女ローラ(カレン・モーリイ)のメロドラマだ。MGM白黒スタンダード。
「円」のイメージが氾濫する。トップカットは刑務所内を輪になってグルグル回る女囚たちの俯瞰ショットだ。ポラカイが働く酒場のお盆、丸テーブル、皿、ジョッキ、ポラカイが担ぐ樽ビールだ。ポラカイの必殺技の飛行機投げは相手を肩に担ぎ上げてグルグル旋回して叩きつける技だ。ポラカイが試合後に入る樽風呂。ポラカイがローラと戯れる卵。二人が閉じこもって開かなくなるドアノブ。そして赤ん坊だ。
対照的なのが四角で、もちろんプロレスリング、そしてラストの拘置所で二人が対面する間にある四角い金網だ。
フォードは必ず誰かが飲み物を浴びることになる。本作も樽ビールでびしょ濡れになる。
「投げ捨てる」主題はポラカイがローラを部屋に招く場面で次々と物を捨てて掃除するのが面白い。
情夫ニッキー(リカルド・コステス)がローラを引っ叩いたり、顔ごと後ろに押し倒したのには驚いた。
猫が活躍する。
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