ペドロ・コスタが「あなたの微笑はどこに隠れたの?」から抜粋した6つの小品集。バガテルとは小品の意味。しかし中身は「あなたの微笑はどこに隠れたの?」で使われていないショットで構成されている。6つのパート>>続きを読む
ボール遊びをする少女の後ろ姿とその影の俯瞰ショット、そこへ女の影がインする。あッ!このショットはラングの「M」ではないか!「M」はまさに連続児童誘拐事件の映画である。ラングといえば影、そして円だ。にわ>>続きを読む
146分でわずが37カット。タル・ベーラが7時間半の大作「サタンタンゴ」に引き続きクロスナホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」を映画化した。
トップカットはストーブの火、本作は広場の焚き火、暴動の>>続きを読む
146分でわずが37カット。タル・ベーラが7時間半の大作「サタンタンゴ」に引き続きクロスナホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」を映画化した。
トップカットはストーブの火、本作は広場の焚き火、暴動の>>続きを読む
原作・江戸川乱歩、脚本・いどあきお、監督・田中登、出演・宮下順子、石橋蓮司。
田中登は「高さ」の監督だ。本作は絶好の題材である。文字通り屋根裏の天井から真下を覗く節穴、その見た目の俯瞰ショット、節穴か>>続きを読む
神代辰巳が宮下順子、芹明香と初めて組んだ作品。袖子(宮下順子)と信介(江角英明)の濡れ場を御簾ごしにロングショットの長回しで描く。宮下順子が赤い襦袢を噛むのが官能的だ。宮下順子の口に魅入られる。袖子が>>続きを読む
ビクトル・エリセの31年ぶりの長編第4作。題名どおり「瞳」の映画だ。アップの映画である。特に眼球の瞳孔が大きい役者が揃っている。黒目が大きい。しかも全ての瞳孔にキッチリと照明のキャッチアイが入っている>>続きを読む
ビクトル・エリセの10年ぶりの長編第2作。エリセによると、本来は北部を舞台とする第1部と南部を舞台とする第2部で構成される2時間半の大作が構想されていたのが資金難のために第一部のみで断念した未完の作品>>続きを読む
トラック運転手とホームレスの女。神代辰巳の傑作「赫い髪の女」を彷彿とするいまおかしんじの新作。子供を失った女、妻に裏切られた男という設定がいまおからしい。行き当たりばったりに見える人間関係がだんだん絡>>続きを読む
劇団チーズtheaterの旗揚げ公演作品を主宰者の戸田彬弘が自ら監督した。消えた市子(杉咲花)は存在していない、市子は誰なのか?名前と不在をめぐる物語だ。戸田は黒澤明の「羅生門」を意識したらしいが構造>>続きを読む
「陽炎座」はまるでキュビズムである。空間や位置関係は断片化され、セリフだけでかろうじて繋がっていて、物語があるのかどうかもギリギリだ。これ以上は映像と音の断片を再構築したゴダールのソニマージュに至って>>続きを読む
「陽炎座」はまるでキュビズムである。空間や位置関係は断片化され、セリフだけでかろうじて繋がっていて、物語があるのかどうかもギリギリだ。これ以上は映像と音の断片を再構築したゴダールのソニマージュに至って>>続きを読む
かつての角川映画の傑作「セーラー服と機関銃」を彷彿とさせる瑞々しい青春映画だ。和山やまのコミック原作を野木亜紀子が見事な脚本にした。「失われたもの」がテーマである。声、愛する人、小指、失ったものへの代>>続きを読む
TIFF/NFAJクラシックス 小津安二郎監督週間
白黒サイレント。8日間で撮影された。
この時期の小津は和と洋をいかに混ぜ合わすかを考えている。冒頭は剣道大会。岡島(岡田時彦)が優勝する。面を取るま>>続きを読む
TIFF/NFAJクラシックス 小津安二郎監督週間
後期の小津は男3人が縁談の世話をするパターンが多いが本作はマダム三人 、麹町の時子(栗島すみ子)、牛込の千代子(飯田蝶子)、御殿山の光子(吉川満子)>>続きを読む
ビー・ガンの新作ショートフィルム。中国の猫グッズのメーカーからの依頼で作られた。
⚫︎黒猫の片目から深いOLで草原の低い滑走、疾走する黒猫の見た目である、ビー・ガンのナレーション、案山子に火をつける、>>続きを読む
ゴダールの長編第6作目。原作アルベルト・モラヴィア。愛についての映画だ。女が車に乗った時から愛が崩壊する。ゴダールがロッセリーニの「イタリア旅行」を見て「男と女と自動車があれば映画が出来る」と宣言した>>続きを読む
ゴダールの長編第6作目。原作アルベルト・モラヴィア。愛についての映画だ。女が車に乗った時から愛が崩壊する。ゴダールがロッセリーニの「イタリア旅行」を見て「男と女と自動車があれば映画が出来る」と宣言した>>続きを読む
東京国際映画祭クロージング作品。
噴飯ものである。ゴジラが出る場面は面白い。ゴジラの登場場面は「キングコング」以来の怪獣は南の島から登場するという嬉しい入り方だ。海を東京湾目指して進むゴジラを機雷船で>>続きを読む
ヴェンダースの最新作で東京国際映画祭オープニング作品。役所広司がカンヌ映画祭で主演男優賞を受賞した。ヴェンダースが日本の役者で現代の東京を舞台に撮影した。
カラーのスタンダードサイズだ。単眼のカメラ。>>続きを読む
清順の日活後期の作品群のなかで「殺しの烙印」「悲愁物語」に繋がる重要な作品だ。
「高さ」の主題が頻出する。露子(野川由美子)が佐一(野呂圭介)と源七(杉山元)に拉致される土手、露子と坂田のボン(和田浩>>続きを読む
清順初の任侠映画。野口博志監督「地底の歌」のリメイク。
小林旭が撮影初日に西郷隆盛のような太い眉毛を描いてきたので「ああ、あ奴がやるなら俺もやろう」となったらしい。恐るべし!確信犯の清順!
ファースト>>続きを読む
ジャン・ユスターシュの第2作。ゴダールの「男性・女性」の未使用フィルムで撮られた。ユスターシュが10代を過ごしたナルボンヌが舞台だ。後に「ぼくの小さな恋人たち」ではナルボンヌ時代の長編が撮られることに>>続きを読む
ジャン・ユスターシュの処女作。妻のジャネット・ドゥロがカイエ・デュ・シネマの秘書をしていて金庫から金を盗んで制作したという伝説がある。須藤健太郎の評伝によれば、ロメールが「モンソーのパン屋の女の子」の>>続きを読む
ジャン・ユスターシュの第2作。ゴダールの「男性・女性」の未使用フィルムで撮られた。ユスターシュが10代を過ごしたナルボンヌが舞台だ。後に「ぼくの小さな恋人たち」ではナルボンヌ時代の長編が撮られることに>>続きを読む
ジャン・ユスターシュの処女作。妻のジャネット・ドゥロがカイエ・デュ・シネマの秘書をしていて金庫から金を盗んで制作したという伝説がある。須藤健太郎の評伝によれば、ロメールが「モンソーのパン屋の女の子」の>>続きを読む
ジャン・ユスターシュのドキュメンタリー。故郷の伝統行事を記録撮影した。1968年に撮影以来11年ぶりに同じ題材をカラーで撮影した。
前作との違いは
●乙女の選出がもめる
●乙女は遠方にいる。乙女から挨>>続きを読む
ジャン・ユスターシュのドキュメンタリー。故郷の伝統行事を記録した。
内容は
●「薔薇の乙女」の選出
●乙女と面会
●祭りのパレード 乙女が皆の胸に薔薇をつける
●教会のミサ
●軍人の碑に献花
●歴代の>>続きを読む
フォスビンダーの「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」をフランソワ・オゾンがリメイクした。もともとファスビンダーは自分の実話を女性同士に置き換えたのだが、オゾンはそれを元の男性同士に戻している。
ファスビ>>続きを読む
ファスビンダーが自らの戯曲を映画化した。5幕構成になっている。
【1幕】ペトラ(マーギット・カーステンゼン)とシドニー(カトリン・シャーケ)の会話。ペトラが素っぴんから化粧するのが凄い。手鏡が効果的に>>続きを読む
清順は新藤兼人の脚本が「喧嘩ばかりで軸がない」ので北一輝のエピソードを加えて撮影したという。いろいろあったに違いない。この頃の日活の制作体制はどうなっていたのだろう?本作のクレジットにはプロデューサー>>続きを読む
清順は言う。「日活の映画は物語が単純だからお客はみんな分かっている。だから筋の枝葉は何をやってもいいと思っちゃう。キャバレーを普通に撮らずに鏡ごしに撮っちゃう。これがいけないんだよね」恐るべし清順!>>続きを読む
日活上層部から「刺青一代」が上限と釘を刺された清順がやけっぱちで撮った作品。低予算を逆手にとって「ならばセットはなしで簡素化しよう」となったらしい。しかし数回挿入される東京タワーバックの立ち枯れをその>>続きを読む
清順が高峰三枝子をどうしても撮りたかったという作品。原作は今東光。美術の木村威夫が初めて参加した。清順の正攻法な一作と言われるが、いやいや、予想外のジャンプカットや清順印の様々な主題に彩られていて、本>>続きを読む
鈴木清順が田村泰次郎の原作を2度目の映画化。1度目は谷口千吉の「暁の脱走」。清順のインタビューによれば調布の日活スタジオの近郊にオープンセットを建てて撮影された。
清順は「高低差」だ。白日夢の場面、春>>続きを読む
清順は1961年になんと6作品が公開されている。そのうち5本が和田浩二の主演作だ。本作は旅回り一座と風来坊の大学生・信太郎(和田浩治)のロードムービーである。清順の「橋」「トンネル」「川」が頻出する。>>続きを読む