すずき

バイオレント・ナイトのすずきのレビュー・感想・評価

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)
4.1
クリスマス・イブの夜。
別居中の妻と幼い愛娘トルーディを連れて実家に帰省したジェイソン。
彼の実家は、莫大な財産と権力を持つライトストーン家の豪邸。
ジェイソンの姉はその財産を狙っており、彼と仲が悪かった。
そんな険悪な家族パーティの夜に、武装強盗の一団が押しかけ、占拠してしまう。
だが邸内には、彼らの知らない謎の男がいた。
その男こそ、本物のサンタクロース!
彼は近頃の欲深な子供たちに悲観し、テキトーに仕事をこなす不良サンタだった。
だが純粋にサンタを信じるトルーディを知り、変化が訪れる…

クリスマス映画ということで、今年はこの作品を。
タイトルはダジャレで、不良サンタを主人公にしたアクション映画なんだけど、これがどうして中々、イイ話なのよ。
ストーリーを語る部分にもしっかりと尺を取って、アクションだけ楽しみたい人にはダルい所もあるかもしれないけれど、誰もが一度は持っていた「信じる心」を思い出す、聖夜にぴったりの素敵な作品。
トルーディちゃんの純粋さと、それに影響されて自らの意味を思い出すサンタさんの姿に胸が熱くなる。

そんなサンタさんのキャラクターがホントに良くって、事件を1度は見て見ぬふりしようとするんだけど、「サンタを待つ子供は見殺しには出来ねーぜ!」と単身武装強盗に立ち向かう。
不老の(元々老いてるけど)肉体を持つサンタだって、肉体強度は人間と変わらず、傷付けば血を流す。
彼に与えられた魔法は、プレゼントが出る魔法の袋、全ての子供達の善行悪行が書かれた良い子悪い子リスト、そしてどんな煙突でも一瞬で通り抜ける魔法(不発気味)だけ。
あとは1100年前、彼がまだサンタになる前の人間だった頃に身につけたスキルで、悪党たちと戦う!1100年前の北欧だったら、ああなるよね笑

アクションも中々で、バイオレントの名の通り、痛そうな暴力描写が激しい。
トルーディちゃんの「ホームアローン」な活躍も、中々残酷トラップで痛々しい。
いうて「ホームアローン」も、ダメージ描写がギャグ調なだけで、やってる事は十分ヤバいバイオレンスだったけど。
そんな痛々しい描写の中、出てくる小物がクリスマスに因んだ物ばかりで、劇伴のBGMもクリスマスソングばかり。
カラフルポップで華やかなクリスマス気分にさせてくれる。