うかりシネマ

オオカミ狩りのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミ狩り(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

マニラから釜山へ犯罪者を送還するために護送船が手配される。しかし、囚人の計画により船は占拠されてしまう。——という警察対囚人のバイオレンス・アクションかと思いきや、その船には“怪物”が乗っていた。

怪物はとにかく強く凶暴で、人間の姿をしているがモンスターホラーじみた活躍を見せる。閉鎖空間で逃げる場所がないまま警官も囚人も次々に殺されていく。
アクション映画としても“腕バ”や両脚切断のように新しいアイデアが盛り込まれていて楽しいし、ゴア表現も気持ちいい。『オーヴァーロード』のような“リッチB級”映画。

ただ、怪物があまりに強すぎて、初動で景気よくほとんどのキャラを殺してしまうので、警察・囚人・怪物の三つ巴が見られなかったのは残念。
その分容赦なく、格に関係なくキャラを殺してくれるのは嬉しいが。
仮面ライダーや日本のあるジャンルの漫画の影響も感じられるが、「結局人間同士で戦うよね」という悪い部分まで真似てしまっている。

終盤の展開はあまりにドラマ主導すぎて、そこから更にリアリティラインを下げて暴れてくれるならともかく、地味に収束してしまう。
特にラストバトルは戦う二人がかなりどうでもよく、<The Witch>シリーズをつまらなくした感じでかなり微妙。
中盤までの怪物の活躍で楽しめたのでトータルでは満足。

珍しく作中の日本語に日本語字幕が付いているのは嬉しかった。外国人だと何を言ってるか分からなかったり、ディレクション(外国人監督)の問題なのか日本人でも聞き取れないことが多々あるので、これを標準にしてほしい。