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少女は卒業しないのeulogist2001のレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.1
静謐。深い想い。喪失と再生。優れた文学や映画などの作品ではこの3つが揃っていることは重要だ。

裏返すとなんだかうるさくて底が浅くて現実が何も変わらないようなものは取るに足らないつまらないものだ。わたしはずっとそう思ってきた。

本作は演技、演出、編集などすべてにおいて高い次元で仕上げられている。しかも娯楽作品としても愉しめてしまう。現実とフィクション、エンタメと芸術作品の境目が見事に払拭されている。そこにまた震えてしまった。

なんの気になしにふらっと観ても、暗闇から出るときには無性に世界が愛おしく感じる。そんな作品。青春時代真っ只中の人にも、既に遠い過去となった方にもぜひぜひ観て欲しい。シンプルだが骨太の傑作。
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