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俗物図鑑のeulogist2001のレビュー・感想・評価

俗物図鑑(1982年製作の映画)
2.9
当時の時代状況やキャストたちの素性などを理解していればかなり愉しめる。逆に言えば、そうした事を知らなければ・・・。

観客は明らかに9割が還暦を過ぎた方々。80年代のあのサブカルの熱気と混沌と商業主義との融合を駆け抜けてきた面々。反抗的でラディカルな脇役からバブルの主役への転換。

サブカル(いまやメインストリームだけれど)はすっかり管理化され、ネットとリンクして世界へと
羽ばたいた。そこには毒にも薬にもならない「ただたのしい」「かわいい」が残った。
※そもそも愉しくてワクワクして、安楽な日々は平和そのものである。

上映会の後で監督と四方田犬彦氏の対談(監督への作品の映画化の経緯や解説依頼)があった。監督はお歳のせいだろう同じ話を何度か繰り返す場面もあった。またその場に主役キャストの奥様がいらして、話の流れとまったく関係のない話を客席からしていた。本作に相応しい微笑ましいやりとりではある。四方田犬彦氏が上手に捌いていた。さすがだ。

歴史的な価値と作品としての価値、また作った側・出演した側と観る側の価値が合致しない好例だった。

そんなような事を隣の人が話してたw
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