玉造

大名倒産の玉造のレビュー・感想・評価

大名倒産(2023年製作の映画)
3.3
越後丹生山藩が舞台。
架空の藩だが、モデルは村上藩。

先代藩主の四男小四郎。訳あって鮭役人に育てられたが、長男急死により藩主へ。隠居して文化人生活を送る先代藩主、うつけの次男、病弱三男。借金100億!期限内に返済出来るか?

悲壮感は全くなしのコメディ作品。
優しく愚直な小四郎の人柄にふれ、家臣達も倒産阻止に向けて奮闘する。
なかなかの演技派揃いの俳優達なのに何だかもったいない。
あまりメリハリもなく、重厚感もない。ただ楽しむ映画なら良し。

鮭を捌くシーンは小日向さんが指南を受け、実際に捌いたらしい。
鮭を捕る漁師役は地元の方。人々の慎ましい暮らしぶりが見て取れる。

浅田次郎原作は未読。上下巻あるので、多分2時間では収まらない話しがたくさんあるのだろうが、薄っぺらさを感じてしまった。

米沢藩主上杉鷹山のように財政を立て直すには自ら身をきり、民を思い愚直で勇気ある人間であること。
一生涯質素な生活を貫いた鷹山。
今の日本の政治家にそんな人間が一人としているだろうか。
玉造

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