玉造

オッペンハイマーの玉造のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
「原爆の父」オッペンハイマーの名は知っていたが、彼の人生は知らない。

鑑賞する前にもっと調べて予備知識は入れておくべきだったと後悔。
クリストファー·ノーラン監督の時系列シーンも織り込まれ難しさもあった。

3時間の上映時間は不安と恐怖で胸がざわついた時間だった。特に「マンハッタン計画」で実験に成功し、人々が歓喜の拍手をしたシーンは涙が出た。
それは自分が日本人であり、被爆国だからだ。あの恐ろしいきのこ雲の下で、なんの罪もない人々が焼き殺された。鉄も溶かす程の熱と爆風。生き残った人々も放射能を浴び、苦しみながら息絶えた。

戦争を終わらす為に。
定説論だが、本当にそうだろうか?
オッペンハイマーが後に水爆実験に反対し、スパイ容疑をかけられ失脚する。
彼が一番怖かったのは人類の未来。
絶滅へと向かう道を自分が作ってしまったことへの恐怖。

鑑賞後に外へ出る。子供達の未来が映画の最後のシーンにならないように祈る。

1984年の「核戦争後の地球」という番組の再放送を観た。
当時のシュミレーションは広島原爆の80倍。シェルターに逃げてもムダだ。
地球全てが砂漠化し、後に大量の煙で太陽を遮り、世界中が氷点下の時代に突入する。生物が生きるのは不可能。
玉造

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