玉造

哀れなるものたちの玉造のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
ヴィクトリア時代のロンドン。でも違う惑星に住む人間や景色のよう。
モノクロの世界に幼子のような長い黒髪の女性ベラ。顔面傷だらけの博士。庭には実験された改造動物達。
ずっと不協和音と水中の音が流れて、居心地の悪いモヤモヤした気分になるのはベラの心境を表すものか?

旅するベラは学ぶ。富む者と貧しき人々がこの世にいること。若さと老い。お金を得ること。嫉妬、妬み、堕落、自立、人の表裏。
そしてなぜ自分は存在しているのか。
自分は誰なのか。

大人のグリム童話の絵本の中のよう。エマ·ストーンの衣装も古典的なデザインのようで未来的。細身で美足の彼女によく似合ってる。
性描写もそこまで必要だったのか分からない。

今の自分は残酷で女性を猟奇的なまでに固執する男のせい。抗えなかった過去の自分に決別するベラ。
そこには幼い自分はいない。しっかりした足取りで歩き、ハッキリ意見を述べ未来へと向かう。
元夫を運んでどうする?庭の雑草を食べてくれるのは良いけど、普通顔も見たくなくなるけどね。
玉造

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