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ヴィーガンズ・ハムのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.4
「チーズや乳製品も人道に対する罪だ」
ヴィーガン彼氏の台詞に噴くかと思った
人道wwww
でも実際こういうズレた持論語りは珍しくない……パリ市長曰くな『世界規模の下水道』にいる、ある界隈の極端な人達って😅

『スウィニー・トッド』の系譜、過激派ヴィーガン(≒過激派動物愛護団体or環境保護団体)を皮肉るカニバリズムホラーコメディ

肉屋を営むソフィーとヴィンセントは倦怠期の夫婦、ある日うっかり過激派ヴィーガンの男を轢き殺してしまい処分に悩んだ末に解体、その肉を加工したハムがバカ売れし、やがて夫婦は"うまい肉"を客に提供するためヴィーガン狩りに繰り出すようになってゆくという流れ

肉(を食べたい)欲には逆らえない

ヴィンセントとマルコ(加工肉販売チェーン店経営者)の対比から、皮肉ってるなあと思う
100%肉vs加工肉、ヴィンセントのお店は経営難だけどマルコのお店は高売上、ナチュラルお肉を売ってるのに市場は加工肉が売れている、最初はアクシデント、次は成り行き、やがてそんなに客が欲しいというなら"イラン豚"提供したろうじゃないかと、消費者側へのやけっぱちと意趣返しみたいな気持ちもあったんじゃないかと思う

この映画、何が面白かったというと、過激派の活動や思想への皮肉が効いてるところは勿論なんだけど、レイシズムやマイクロアグレッションの描かれ方、たぶんこの監督が持つセンスに寄るんだろうけど「俺達の主張は正しい」「君たちバカじゃないの(何言ってんだこいつ)」的なキャラとドラマの配分がうまいし痛快
個人的にハイライトだったのは「(肉食の歴史である)フランスの文化が嫌いならフランスから出ていけ!」という通りすがりのおじさんの一言、いやもうそれが全ての要約ではwww

野生動物のハンティングとヴィーガンハンティングを交互に写してく演出が小気味良かった、特にヨガの男、いるいるこういう人ーーー!

ラストも良かった
「何か後悔は?」と判事から聞かれ「ウィニー(ペースメーカーの太ましい青年)」
そこかつか彼だけか😂

飼い犬が、毎回ちん〇をもらっていたんだろうなあ……と思わせる終盤の活躍も笑った

フランスのエスプリ?が効いた愉快な作品でした

ついでに、日本のどんぐりを撒きやがる某熊愛護団体の活動家も狩って欲しいもんだと妄想する、そしてクマ牧場の餌にしてあげれば彼らも本望じゃろw