火箱

ヴィーガンズ・ハムの火箱のレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
2.9
思っていたより普通としか言いようがない。

結構短めの映画で、始まった直後のスピード感はお見事。
あらすじもかなり目を惹く。
でも、そこからが結構タルい。意外と自主的にはヴィーガン殺しを始めないんだなコレが……。

いざヴィーガン殺しを始めても、なんだかしっくり来ない。絵に描いたようにウザったい描写を重ねた娘の彼氏のヴィーガンには結局手を出さないし、それ以外も過激派ヴィーガンを殺さないで、温厚派ヴィーガンばかり殺す。

また「店を襲ったヴィーガンに恨みを晴らす」という復讐の感情が最後まで回収されずに終わる。相対はするんだけど、むしろ向こうから襲って来たところを撃退するだけで、自分から復讐をするわけじゃない。
主人公はヴィーガンよりも成功してる同業者への鬱憤の方が大きいのだ。だからヴィーガンに紛れて同業者の店に押し入ったとき、ヴィーガンを騙し討ちするのではく、店の破壊を優先する。

つまり主人公達はヴィーガンの肉が美味しいからヴィーガンを襲ってるだけで、彼らに復讐がしたいわけではないようだ。
復讐を望んでいたのはこちらだけらしく、正直どっちらけ。でもだったら店を襲ったヴィーガンを殺して終わるだけなのは一展開足らないとも思う。
話が思った以上に全然広がらなかった。この導入なら、もっと色々出来たと思うけどなぁ。
火箱

火箱