春花とおく

ヴィーガンズ・ハムの春花とおくのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

マジで頭飛んだギャグだ。狂人が全力で踊り狂ってる映像を見せつけられてるよう。(いや、観てるのだけど…)
そういうの嫌いなら素直に辞めとくべき。

しかし、演技(目が泳ぐ様子など)は勿論受け答えの間隔、「間」などが緻密で凄く緊迫感に満ちた時間が流れている。おかげでぶっ飛んだ話だがリアリティに欠けることなく楽しめた。

人間解体の時落とした耳?を飼い犬が食った時に嫌な顔するシーン、いい肉質と思われるヴィーガンの肉を得るため自らヴィーガンを騙る内に「本物」にドン引くシーンとか…(略さなくてはならない)ちょいちょい挟まれるギャグもシュールで笑えないけど吹き出してしまうのは耐えられん。

最高点は、直前に殺し損ねて逃げる相手に追いかけながら「話せばわかる」とか抜かすとこ。

或いは、悪事を行うにつれ夫婦仲は良くなってくことか。

かと言って、単に菜食だけをバカにしたり、かと言って肉食だけをどうこう言うものでもなく…という点も魅力。言うならば、両者を等価に卑下して、価値観の天秤を激しく揺らして、改めて我々にその価値観を問うような、パワーは感じた。

何にせよ人に薦めることは出来ないけれど、これが出来る映画、それを創る監督、俳優、等々、があれば「面白い」と人を唸らせる映画が出来るのだろう。
春花とおく

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