このレビューはネタバレを含みます
強烈な皮肉とキャッチーさが秀逸なフランス産ブラックコメディの佳作。
過激派のヴィーガン、市民に熱狂的に支持される"悪のカリスマ"としてのヒトラー、イスラム過激派のテロ行為、カニバリズムなど、憚られがちなトピックが散りばめられたサーカスティックな筋書きが、狩る肉食獣と狩られる草食動物という自然界の原始的な対立構造を軸に描かれる。シンプルかつパワフルだが知的な一面も感じられてよい。
懺悔の言葉に思える「ウィニー」が意味するのは、可哀想なウィニーを殺めたことへの後悔ではなく、もう一度あの味を楽しみたいという堪え難い"美味しさ"への渇望に違いない。